染織家・中野みどりの仕事

「紬きもの塾」の記録や紬織、きもの、工芸、自然、平和を綴ります

2019-01-01から1年間の記事一覧

宗廣力三先生の紬縞に思うこと

京都の知り合いが秋に亡くなり、先日、偲ぶ会に行ってまいりました。その際に、数珠を持って出かけたのですが、新幹線の車中で数珠入れを眺めていて、いい縞だとしみじみ思いました。 この半月型の数珠入れは、私の師である宗廣力三先生が89年11月に亡くな…

第5回紬塾 名古屋帯を締める―前柄、太鼓柄をよく見る

紬きもの塾は、前半は糸や染め、織りを中心に話を進め、後半はとことん着る着ものの合理性、そして実際に着物を着ることに関して学んでいきます。11期の紬塾も残すところあと1回になりました。今回は名古屋帯の寸法などの詳細を勉強しました。今期参加のみな…

お正月に着物を始めよう!―「ミニ紬きもの塾@工房版」

師走に入ってあわただしい日々と思います。工房でも大人可愛いい吉野格子の帯と、深みのある大人の紫茶色の崩し縞着尺を同時進行しています。また、週末の紬塾では帯結びや帯の柄付けの確認をしますので、その準備など忙しい日々です。さて、年末年始、着物…

第4回紬塾「日本の取り合わせ」――ものの力を合わせる

紬の着物と言っても普段着から略礼装まで、おしゃれ度の高い紬も昨今は多いと思います。質感もそうですし、訪問着や付け下げの柄付けなど様々です。紬塾の取り合わせワークショップでは着尺3反(グレー地、ピンクベージュ地無地系、焦げ茶地の縞)に帯を5本…

第4回染織実習ー織る

第4回「染織実習ー織る」を3名の方で行ないました。織りは全く初めての方2名と、以前の紬塾で染織実習を体験した方1名でした。今回もとても良い布が織り上がり、ホッとしています。いつものように私が織るのと同じレベルのことをしてもらいました。基礎コー…

着物は公共性を内在するもの

前回のブログにも書きましたが、秋冬色の染色を終えて、次は秋冬向けの着尺に取り掛かり、巻き込みまで済ませたところです。上の画像の紫茶地の細かな縞です。たくさんの染糸のストックから使う色の選定にはじまり、設計、糸巻、整経、たて巻き、経て継ぎ、…

秋色の染色

台風19号の襲来から1週間が経ちました。被災地の皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。時間はかかると思いますが、被災地の一日も早い復旧をこころよりお祈りいたします。 15号に続いて本当に広範囲にわたり大変なことになりました。さまざまな被害状況をT…

紬塾「とことん着尽くす」――浪費社会の中で

先月末の日曜日は紬きもの塾「とことん着尽くす」でした。10月に入っても真夏日となっている東京ですが、この日も、30度に達する暑い日でした。床の間に庭の斜面で見ごろを迎えていたハギの花を投げ入れて、みなさんをお迎えしました。私はいつもの単衣紬に…

手結い絣り2

工房では久しぶりに絣の着尺にかかっています。以前にもブログでご紹介しましたが、手結い絣りという沖縄に伝わる技法を使います。前回は布幅に対して小綛を少し大きく作り、遊び分を持たせたもの。今回は布幅に対して、ほぼ同寸に作ります。動きの幅が違い…

丹波の縞帳が語り掛けてくるもの

上の写真は丹波木綿の縞帳で、記載されている住所の桑田郡は「1879年(明治12年)まで京都府(丹波国)にあった郡」ということで、それから推測すると、江戸末期から明治にかけて作成された縞帳と思われます。前回の記事にも書きましたアシスタントが入手し…

技を手渡し、美の根源を共有する

【都市の「地織り」をめざし――紬織に自然の素材の命を託す】月刊染織α(1999年11月号 No.224)99年3月に京都祇園の小西さんで個展をさせていただきました。紬織の人間国宝、宗廣力三先生の下で学ばせて頂いてから22年の歳月が過ぎていて、先生はすでに亡くな…

「日本の素朴絵」展ー素朴さの中の大いなるもの

お盆休みに三井記念美術館の特別展「日本の素朴絵」を観て来ました。(~9月1日まで.。9月21日~11月17日龍谷大学龍谷ミュージアム) かなり混んでましたが、愉しんできました。まだ蒸し暑い中ではありますが、8月終盤、温度も湿度も管理された美術館でホッ…

梅シロップの実リメイク――梅酢漬け

先日紬塾の染織コースの第2回「草木で糸や布を染める」を行いました。 桜と柿を使って、糸や帯揚げ、古い半衿を染めました。家でもできるよう、帯揚げの少しトーンを落としたいものなどの媒染材を使わない染め方も話しました。生木がなくても紅茶などでもで…

黒い裾

題字/熊谷恒子 紬塾では幸田文著『きもの』を日常にまだ着物があった大正~昭和の時代に関する参考文献というような扱いで使わせてもらっていますが、同じく『黒い裾』という短い小説も大学生の時に姉の本棚にあったものを読み、今も手元に昭和49年7月30日…

自然布と夏紬

先日、梅雨の晴れ間に夏紬で都心まで外出しました。帯はビンテージものの対馬麻です。大麻の生成り糸と木綿糸の黒の二色の縞ですが、実際にはもっと複雑な素材そのものが持つ自然な色と糸のかたちから生まれる陰影があります。対馬麻は大麻と木綿の交織が特…

第2回 紬きもの塾「紬織りの糸・草木の染色・織りの映像交えて」

この日曜日は基礎コースの紬塾2回目でした。 紬糸や草木で染められた色について、着物や帯としての織物の風合い、堅牢性について5分ほどの織りの映像も交え見てもらい解説しました。また、糸を引き出すワークショップもしました。よく観察することは作る上で…

鈴木真砂女の俳句と夏着物

私は単衣や夏の着物が好きです。たまに出かけるときにしか着ませんが、何か特別な気持ちになります。真夏に羅(うすもの)を涼しげに着ている姿を街で見かけたりすると、思わず見とれてしまいます。今まで何度かハッとする美しい着物姿に遭遇したことがあり…

真綿から糸をつむぐ―紬きもの塾19 染織実習1

工房展の前に染織実習コースの方に糸つむぎの講習をしました。糸つむぎは、私は郡上紬の宗廣先生から受け継いだ久米島式を採用していますが、結城紬のつくし方式の良いところも加え、また自分なりの工夫もしています。やや太めの糸(着尺の緯糸向き)を引き…

「中野みどり紬の会-プラスワンで装い一新!」開催中!

終了しました。ご来場ありがとうございました。工房展「紬の会 – プラスワンで装い一新!」6月3日(月)まで開催。 午前10時 – 午後5時 櫻工房(小田急線鶴川駅バス10分)工房展が始まっております。遠くからわざわざお越しいただく方もあり、ありがとうござ…

玉田恭子ガラスウェア -紬の会19春-お知らせ2

新緑も色濃くなってまいりました。 工房では28日からの工房展に向け、最後の作品の追い込みをしております。 今日はサブコーナーへご出品頂く玉田恭子さんのグラスが届きましたのでご紹介します。 玉田さんは着物や色彩にもご感心があるということで、3月の…

開講しました!

今年もお陰様で紬きもの塾19が開講しました。 今期から基礎と実習コースを分けてのスタートとなりました。 基礎コースの方全員着物でお越しくださいました。 HP、ブログを数年前から見てくださり、ようやく日程が取れるようになって臨んでくださる方もありま…

工房展「紬の会-プラスワンで装い一新!」のお知らせ

爽やかな季節となってまいりました。 5月28日(火)~6月3日(月)まで櫻工房内において「紬の会」を開催します。 現在、帯揚げの染色、帯の新作にかかっており、連休も休まず制作に励んでおります。 出品品目は、着物、帯、帯揚げ、帯締め、ヘンプ麻肌着(…

ビワ染めの帯揚げと枇杷俳句

来月の工房展(5/28-6/3)向けにモッコク、リンゴ、ナシ、ビワなどで帯揚げを染めています。 モッコクはグレイッシュピンク、リンゴは黄色系、ナシはピンク系、ビワはオレンジ系を染め分けています。 今までビワの枝葉でピンク系(灰汁媒染)、グレー系(鉄…

「女わざの会」会誌、櫻工房オンラインショップに登場!

すっかり遅くなってしまいましたが、「女わざの会」会誌を櫻工房オンラインショップに上げましたので、お知らせいたします。 岩手県の森田珪子さんが主宰されている「女わざの会」が活動の記録として、1983年から年1冊まとめてこられた会誌全23号のうち第1~…

MIHO MUSEUMと伊勢現代美術館を訪ねて

滋賀県甲賀市信楽町にあるMIHO MUSEUMと三重県・南伊勢町の五カ所湾にある伊勢現代美術館、伊賀の茶陶の三田窯へ行ってきました。前日までの20度超えのポカポカ陽気から一転、真冬のような寒さの中でしたが、山桜は5~6分咲きぐらいで、葉の茶色と混じり合い…

歌人・馬場あき子さんの着物、祖母の着物に思うこと

先日、NHKの[こころの時代~宗教・人生~ 「歌詠みとして今を生きる」]という番組に歌人の馬場あき子さんが出演されていました。 以前はよくTVでお見かけしましたが、91歳になられた今もお元気にご活躍されているご様子を拝見しました。 プロフィール、短歌…

紬の着物の後継ぎ

先日の「紬+帯揚げ百彩」の際に、私が以前着ていた紬を引き継いでくださっている方がお越しくださいました。 久しぶりに我が子との再会になりました。 帯はお手持ちのいろいろなものと合うということで「活躍してます!」とおっしられていました。 一回り半…

「紬+帯揚百彩」展ー明日17時まで③

「中野みどりの紬+帯揚百彩」ー草木の色を取合せてー、無事終了しました。 生の草木の色の美しさの一端を多くの方にご覧いただきました。うっとり眺めては「何とも言えない色」という言葉を多くの方が発せられていました。 ご来場下さいました皆さまありが…

中野みどり「紬+帯揚げ100彩」展-草木染め紬ショール②

ショールは櫻工房オンラインショップに公開しました。 玖さんでの展示の準備に追われています。 ギリギリセーフでショールの湯通し仕上げを済ませました。 春向けの明るい色目のものも織りました。 早速アシスタントの肩に掛け、写真を撮りました。夕方にな…

中野みどり「紬+帯揚げ百彩」-草木の色を取り合わせて

3月6日(水)~9日(土)まで南青山のこまもの玖さんで着物、帯、帯揚げ、帯締めなどを取合せた展示をさせていただきます。 時間:12時―19時 (最終日17時まで) ※初日トーク&取り合わせワークショップの時間、14:00~15:30はクローズします。 ご来店は12:…