染織家・中野みどりの仕事

「紬きもの塾」の記録や紬織、きもの、工芸、自然、平和を綴ります

16期 第4回紬塾「運針で何かを縫う」


gooブログの終了にともない、こちらへ引っ越しをしてまいりました。
引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さて、夏休みの間に運針を練習して頂き、何か好きなものを手縫いしてもらうという回です。
縫うものは、新しく布を購入するのではなく、家にあるもので工夫する、というのが条件です。


以前は私の方で麻の布を購入し、麻の伊達締めを縫ってもらっていましたが、それは私が当初考えていたこととは違ったのです。

麻の布の大切さは伝えたいことではありますが、できれば自宅で眠っている布や、着古したり、着られない服などから、その布を再利用してほしいと思っていました。自分の持物と向き合うことになります。

しかし、みなさんに伺っても、古着はゴミに出してしまい、古い着物や襦袢などもなく、結局新しい布を買うしかなかったのです。


でも、これでは本当の学びにはならないと思い辛抱強く、みなさんが考えてくれるのを待ちました。

大げさでなくていいのです。切りっぱなしで使っている手ぬぐいや布巾の端を三つ折りにして、並縫いをするだけでもいいのです。

手芸をしたいわけではないのです。


布と針の関係(太さや長さ)、糸の太さ、種類。こんなシンプルなことさえ、今の方たちは学ぶ機会もなかったのです。家庭科の時間はなかったのでしょうか?
こんなことも知らないで、着物の着方をいくら学んでも、お洒落をしても底が知れています。着物を着るということは、創意工夫、研鑽を重ねる終わりのない道に思えます。


今期の方は迷いながらもなんとか見つけだして、取り組んでくれました。
眠っていた古い手ぬぐいや晒、お祖母さまの少女時代の着物、コレクションしていた更紗の布、お母様の古いワンピース、洗いに失敗した着物地など、いろいろでした。
完璧ではないまでも、運針の型は掴んでくれたと思います。


あとは、縫うということを億劫がらずに自家用のちょっとしたものは手縫いしてもらいたいと思います。

あまり裁縫をしてこなかった人も、最小限の道具(ぬい針と待ち針、指ぬき、白と黒の糸、握りバサミ)だけ入れた箱を身近において、気付いた時にさっと繕いものができるようにしておく。本格的な裁縫でなくても、糸と針に普段から馴染んでおくことが大切かと思います。
布を見極める目も養えます。


縫い終わって、みなさんそれぞれに、それなりに、何か満足感を得たのではないでしょうか?針目を愛おしく感じたのではないでしょうか?運針は人の気持ちも安定させます。これからも続けてほしいと思います。


因みに私は、家で着る夏服や、ダブルガーゼの古いシャツからタオル、古着から座布団、鍋つかみ、カフェカーテン、シーツの傷んでない端の部分で枕カバーなど、なんでもあるものを活かして手縫いしています。靴下の継ぎも当てます。楽しいですよ!

古布を見ると、タオルでもシーツでもそのまま捨てられないのです。何かに活かせないかを考えるのが楽しいです。

 

さて、この日に私のいで立ちは、単衣紬に麻の襦袢を着ていました。10月に入ったこの日も暑くて汗をかきました。麻にしてよかったです。


半巾帯は、30年ぐらい前、更紗の大規模な展覧会がデパートであり、その会場で古い更紗が販売されていました。草木染のものです。
帯にするつもりではなく、以前の工房の自室のカーテンとして使っていたのです。(^-^;
ある日、半巾帯が必要になり、そのカーテンを洗って、仕立ててもらいました。焼け部分を除くと、使えるところは少なく、短い帯になりましたが、サムライ結びならOKです。(^^)/

今日はみなさんのお世話が大変になることはわかっていましたので、、仕事着、労働着として帯び締めも無しで臨みました。