染織家・中野みどりの仕事

「紬きもの塾」の記録や紬織、きもの、工芸、自然、平和を綴ります

紬塾第6回「自然で楽な着方」 ― 半衿の付け方・着物の仕立寸法

                         

紬塾も終盤に入り、着ることの実践です。

 

今回は着付け以前の自分の寸法のことを中心に話しました。
あと、着方でも寸法はかなり違いますので、単純な話ではないのですが・・。

染織家の立場としては、素材感や、織物、染物などでも微妙に違うと思います。


みなさんなんとなくは着物を着ているのですが、自分の着物寸法に関しては、最初に店や仕立屋さんが決めてくれたままの寸法で着ている方が多いです。

最初の寸法が良ければいいのですが、間違った寸法で大きめに作られ悲惨な方も、いままでの紬塾にも何人かいました。

 

でも紬塾の方は、今後は自分でよく考え、新しく作る時、洗い張りの時などに見直していきましょう。

ずっと着易くなり、着姿も良くなるはずです。

 

初心者は普通お店の方にお任せしますよね、仕方ないです。

私もそうでしたが、ある和裁士さんに教えていただき、目からウロコでした。

変だと思っていたことのその理由が分かったのです。

 

ここ5~6年位の紬塾では一人一人寸法を見るようにしています。

それ以前の方向けに、講座を設けようか、検討中です。

ご希望の方はメールでご連絡ください。

 


塾の中では短い時間に全員の方の寸法を見ていきますので、完璧ではないですが、お一人お一人見ていきました。

寸法はcmの単位ではなく鯨尺(1尺=37.88cm)が良いです。

着物を着るなら、2尺指しと1尺指しを必ず用意しましょう。

あと、㎝と寸が裏表にある巻き尺も重宝です。

 

例えば、身長158cmの方が、肩身丈を身長分とするならば、

158÷37.88=4.17です。→4尺1寸7分

 

1分を約4mmと覚えておけば、細かな調整も分かり易いです。

自分で感覚的把握するにもシンプルです。

cmの寸法表を持ってこられた方のは電卓で換算しながらでした。💦

 

あと、妙に裄の長い方が毎回多いです。

洋服の袖丈とは全く違います。

衣紋を抜いた時にできる肩回りのバイヤスを活かす発想が欠落しています。

 

腰回り(胴囲)は小さいのに、裄だけ洋服の袖丈の測り方をするというのは???

訳の分からない採寸方法がデフォルトに設定されていると思います。

もう一度自分の頭で考えましょう。

 

広幅で作る、洋服を仕立てる時のような測り方でよいのか?

小幅の反物を接ぎ合わせて作られている着物。

仕立て寸法の制約が小幅にはあるのです。

 

また、大きな寸法で作りながら、着た時の皺を異常に気にする昨近。

暑いのに木綿のタオルで補正したり、補正下着を付けたり。

雑誌のモデル撮影と日常の一般人の着こなしは違います。

違和感を覚えたら自分で考えましょう。

 

あと、やはり半衿の差し込み式をしている方が多く、織りの着物にカーブの衿の気持ちの悪さも話しました。せっかくの着姿も台無しになります。


着物の衿は畳むときにも背中は三角に折り畳み、衿も折ります。
その畳み皺は何だったのか・・、と思うのです。

原点に立ち返り、改めて着物というものは何なのか、どう構成されているのか考えたいです。

 

トップ画像は、衿芯に半衿を先に付けておいて、それから長襦袢に固定するやり方を説明しているところです。
洗う時は衿芯ごと外し、固形せっけんとブラシで汚れを洗い落します。


長襦袢三河芯がついている場合は、そこに半衿を掛ければいいのですが、やりやすい方でよいです。

 

 

 

 

さて、本日の紬は久米島絣です。藍の縞帯と合わせました。

久米島には縞帯がよく合います。茶の絣と藍が引き立て合います。

 

真夜中の空のような黒に近い鉄紺の帯揚げにしました。

若い頃に買った化学染料のピンクの帯揚げに草木の色を何度もかけ、最後はネイビーの化学染料をかけました。逆光の画像では見えにく過ぎますが・・いい色なんですよ。 (^^)